この想い、いつしか・・・。


今日・・・断ってしまった・・・
これで良かったのだろうか?
多分・・・多分これで良かったのだろう!

彼は・・・ジェローデルはあくまでも紳士だった。
優しく暖かな眼差しを向けられ、もう少しで決心が鈍るところだった。

彼に問われた。
自分を断るのはアンドレのせいなのかと・・・。

解らない・・・自分でも解らない・・・。
その様な対象として考えた事も無かった。
ただ、幼い頃より兄弟の様に、本当に兄弟の様に生きてきた。
ただ、兄弟の様に。

では、ではジェローデルへの思いは何なのだろう?
彼は、わたしを女性と認めてくれた初めての男性。
初めて会った時からわたしを女性として見てると言っていた。
女性として見てくれていると・・・。

彼の事を思うと、彼の事を考えると胸の奥が疼いてくる。
甘く、切なく、この疼きは一体なんだ?

誰か、誰か教えてくれ!

アンドレは兄弟の様に。
ジェローデルは・・・。

ああ!
忘れなければ!
ふっきらねば!!

明日からわたしは再び衛兵隊隊長の顔をして彼の前に立とう。

この胸の疼き・・・いつか解る時が来るであろう・・・。

FIN