大阪OFF会レポート♪

 

夏の暑い日、これから「大阪OFF会」を、覗きに行こうとしているオスカルの元に、大きな薔薇の花束を抱えたヴィクトールがやってきた。
「なんだ!?花束なんか抱えて。今日は、パーティーに行くのではないのだぞ。“OFF会”だぞ。OFF会!あのおよそ薔薇など似合いそうに無いご婦人たちの集まりだぞ」
両手に余るほどの薔薇を抱えたままヴィクトールは、その美しい唇に笑みを浮かべ「おや?お忘れですか?今日が何の日か」
「ん?今日?」オスカルが首を傾けて考える。「一体何の日だ?」ほとんど考えたのかどうかわから無い一瞬の後に問いかけてくる。
ヴィクトールは、半ば呆れながらも相変わらず微笑をたたえ「紫子嬢のお誕生日なのですよ。貴方もいい加減ご自分のファンのご婦人のお誕生日くらい覚えたらいかがです」
「ふん。お前と違って私のファンは、数え切れないほどいるのだぞ。そんなものいちいち覚えていられるか!ところであいつは幾つになったんだ?」
「確か33歳だと言っておりました。なのでこのように薔薇を“330本”用意したんですよ。33本では“この私の”プレゼントにしては貧相ですからね」
しれっと言うヴィクトールにオスカルは、あきれてしまう。
「…おまえだまされてるぞ。」「はあ?この私がですか?」信じられないといった顔のヴィクトール。「そうだ。あいつは確か去年も33才だと言っていた。去年だけじゃない。その前もその前ももっともっと前から“33歳“と言っている。「…では、では一体お幾つになられたのでしょう?」すっかり混乱してしまったヴィクトール。「知るかそんなもの。あそこに集まってくるご婦人方は、ほとんど皆平気な顔で“33歳”と言っているんだ。つまり年齢不詳の集まりということだ。まあ、私もおまえも年をとらないんだから、人のことはとやかくは言えないがな」オスカルの言葉に納得したのかしないのか、複雑な顔をしているヴィクトール。「それより早く出かけないと遅れてしまうぞ。なんせあの連中は、“同人誌即売会”だというのにまったく商売っ気が無くて、片付けるのが早いんだ。今年は、買い損ねないようにしないとな。」それを聞いて驚くヴィクトール「やっぱりお買い求めになるのですか?」「当たり前だ。去年は行くのが遅くなって買えなかったんだから」「ですが何度も申し上げているように、あの本は“ベルサイユのばら”のファンが書いたものですから、私と貴方のことは、書かれていないんですよ。そのようなものをどうしてそのように…」悲しそうな様子のヴィクトールの首にオスカルは細い腕を巻きつける。そして、キラキラ輝くサファイヤの瞳でヴィクトールを見つめながら「何も心配するな。私が愛しているのはお前だけだ」そう言って愛くるしい唇を、ヴィクトールのそれにそっと近づける。暗転。この後どこまで展開したのかは、ご想像にお任せします。(笑)

さて。ところ変わってここは、「Super Comic City in 関西10」が、開催されている「インテックス大阪 3号館」
「さてと、ベルばらのスペースはど〜こかな〜っと。おお、あったあった。」いそいそと足取りも軽く「華・香 様」のスペースを目指すオスカル。「あれ?
もう店じまいか?ほらみろ、また遅れたではないか。出かけにお前があんなことするから…」がっくりと項垂れるオスカル。実は、ヴィクトールはわざと出発を遅らせたのである。いくら心の広い彼でも「オスカルとアンドレのラブラブ妄想小説」など、読ませたくは無かったのだった。
「いいではありませんか。また来年もあることですし」その言葉を聞いたオスカルは、宣言した。「いや。来年までなどもう待てない。私は待った。十分すぎるほど待った。(ん?どこかで聞いたこのせりふ。)東京に行く!冬コミに行くー!ヴィクトール、冬コミに行こうーーーーー!」思わず倒れそうになるヴィクトールであった。
そこへ暢気にお茶を飲んでいて集合時間に遅れそうになった“幹事”紫子登場。
「おお。紫子殿。お誕生日おめでとうございます」そう言って薔薇の花束を差し出す。誰にも見えないはずなのになぜかヴィクトールの姿だけは見える紫子であった。嬉しそうに抱えてはいるが、これからのことを思えばちょっとお荷物。「ご心配には及びません。ほらこのようにすれば邪魔にもならないでしょう」そう言ってヴィクトールは紫子に薔薇の花束を背負わせた…??そうまるで宝塚のトップスターのように。全然似合っていないけど。
さて、OFF会集合時間になり全員揃ったところでOFF会会場へ大移動。今回は17人が参加。が、道案内がちょっと不安そうな顔。紫子も方向音痴だがもう一人の主催者みるく様もかなりのもの…らしい。ちゃんと行けるんだろうか…と心配しましたが、そこは勝手知ったる大阪OFF会。リピーター組も多いので一行は無事会場に到着致しました。しかーし!予約時間の30分ほど前に着いてしまったので、しばし店の前でご歓談。おしゃべり好きなものが集まるOFF会ですから、決して沈黙など起きません。わいわいがやがやと楽しくお話しするうちにお席に案内されました。
大阪OFF会は、関西OFF会と違ってお話するためだけに集まっているのですから、簡単に自己紹介を済ませた後は、料理をいただきながらおしゃべりするのみ!さんざんしゃべってもまだ足りなくってこのあと、2次会、3次会、果ては4次会まで!うわさによると5次会もあったとか、無かったとか…事実はお泊り組のみが知る。

そして、誰も気づいていなかったが、呼ばれもしない者が約1名。このOFF会の様子を心配そうに見つめていたのである。その人の名は…「彩輝トート」そう、来年宝塚大劇場に登場する宝塚5代目のトート閣下である。
彩輝トートの独り言…「皆、来年来てくれるかなー?」
トート閣下は、来年の自分の公演の客の入りを心配して、「宝塚ファン」「エリザベートファン」も多いこのOFF会を覗きに来ていたのであった。そして、あちこちで囁かれる「ねえ、来年行くの?」という言葉に耳をダンボにしていたのであった。「皆、きっと来てね。こわく…ないから」