☆ 〜プチ・シュー〜 ☆



            ママンからのお手紙に「行儀作法を仕込んで欲しい」って書いてあったでしょ。
           私も素敵なレディにならなくては・・・と思っているのよ。
           なぁに、その目は!
           「お前には無理だ・・・。」って言っているわよ。
           心配御無用!だって私はお姉ちゃまと同じ血をひいているんだもの。半分だけ
           ど・・・。
           だからね、お姉ちゃまの側にいれば素敵なレディになれるんじゃないかなってお
           もったの。
           まぁ、『レディ』は余分かもね、お姉ちゃまの場合は・・・。あっ、このことはナイショ
           ね。
           それと・・・あなたの事、気になって・・・・。
           何をって、その後ちょっとは進展したのかなって考えていたら夜もろくに眠れなか
           ったのよ♪
           なぁんてね。でも、一体何所まですすんでるの?
           ・・・・なぁに、こんなかわいい『小さな天使』に向かってそんな顔しなくてもいいじゃ
           ない。
           わかった!心配しているんでしょ、私が皆にあなたがお姉ちゃまの事をすきだっ
           てことをしゃべったりしないか・・・って。それなら大丈夫!これでも秘密は守る主
           義なのよ。
           ねぇ、お姉ちゃまは気が付いていないのかしら?あなたの想いに・・・・。
           もしかして異性として見ていないのかしら・・・あっ、別にあなたに魅力がないって
           言ってるんじゃないのよ。
           あなたはとってもステキよ。だって、私の心を奪ったんだもの!うふふっ・・・、顔
           があかいわよ。
           自信を持って・・・あなたはステキな騎士(ナイト)よ!!それはわたしが保証す
           るわ。
           あっ、お姉ちゃまが呼んでるわ、ほら、あそこ!
           もうお茶の時間なのね。お菓子は・・・ヤッタ♪プチ・シュー!
           さあ早く行きましょうよ・・・また後でいろいろとお話しましょうね、アンドレおにい
           ちゃま!!

           そう言って、自称『小さな天使』はウィンクをして金色の髪の乙女のそばへと駆け
           出し
           た。
           その姿を見つめながら黒色の髪の騎士は苦笑した・・・。 
                                        
           FIN