祝!三十万hit


「アントワネットさま。」
あら、楽しく遊んでいるのに。オスカルだわ。
いつものようにお小言を言われるのかしら。
なぜ、地位も年令も女らしさも下の彼女に、言われまくりされないといけないのかしら。
ああ、きっとこれは美しい者のさだめなのだわ。
昔から、姿も心も美しい少女マンガの主人公が辿ってきた道。
そう思うといわれのない意地悪も、また、心地よい・・・。

「アントワネットさま。王妃さま!トリップしている場合ではありません!!」
「ハッ・・・!どうしたのです?オスカル?」
さあ、お小言なんかにへこたれない、余裕の微笑みを見せるのよ。マリー。
「わたくしが唯一王妃という堅苦しい鎧を忘れられる夢の時間を邪魔するとは。
それなりの事件でもあったのでしょうね。」
扇で顔を隠して、うーん、決まったわ。
意味もない比喩と大袈裟な身振り。これぞ「必殺宝塚への招待」よ。
年始に宝塚歌劇をTV鑑賞してから、一度やってみたかったのよね。
あの、優雅なジェンヌ達に負けてられませんもの。
なんたって、わたくしは王妃マリーアントワネット。
「だから、もうトリップは止めて下さいってば。大変なことが起こったのです!」
「ホホ。いつもは冷静なあなたがめずらしい。そんなに慌てているなんて。」
本当に。なんだか、顔が紅潮してるわ。
「じ・・実は。日本のベルサイトにある『hitomiの部屋』が三十万hitを越えたのです!
アントワネットさまへのご報告が遅くなり申し訳ありません。
そこで、早速陛下にhitomiさまへのお祝いの手紙を書いて頂きたく・・・。」
な・・なんてこと!
さ、三十万hitですって!
「王妃さま・・・?扇が落ちましたよ?しかも、集中線が集まっていますが?」
「そ・・・そうでしたの。それは・・・お・・・おめでとうございます。
あ・・サイトは開設されてどれくらいになられますの?」
「確か、つい先日二周年を迎えられたはずです。」
二年で三十万?
ということは・・・一日割り人数をだそうと思ったら・・えっと?
一年は365日として、365たす365をだして、その答えで三十万を割る・・・?
ああ〜わからないわ!365たす365さえも!
普段から庶民のように、あっちのスーパーが安い、
今日の特販は幾らのお得、とか考えたことないんですもの。
大体、悪夢といえば算数のテストというくらい、算数は嫌いだわ。
「王妃さま?青くなったりして、一体どうなさったのです?」
「いいえ、何も。ホホ。
で、hitomiさまに謁見を願う方は一日どれくらいいらっしゃるのかあなたにわかる?」
「一日ですか?主にマダムやマドモアゼルが・・・」
ふふ、オスカル、いくらあなたでもこの暗算は難しいわよ。
「大体411人、というところでしょうか。」
「オスカル!あなた、剣術だけじゃなく、暗算も得意だったとは知りませんでしたよ。」
「ええ、小学校の頃、日本珠算協会に通って初段を取りましたから。」
負けた・・・王妃が・・。極東のソロバンの力に負けた。
でもそれよりも悔しいのは・・・。
「hitomiさまの元にはそんなに沢山の人が詰めかけているのですか?
私のところに来る謁見の人数よりも多いではありませんか。」
「それは仕方ありませんよ。
hitomiさまは心使いが大和撫子らしく細やかな方なのです。
サロンにいらっしゃるお客様もすばらしい方ばかりですが、
hitomiさまのお言葉を拝聴したい為だけに訪れる方も大勢いてる、と聞いております。
しかも、すばらしいベル関係のお宝もお持ちなのです。」
「オスカル、あなたやけに詳しいわね。
もしかして、あなたもhitomiさまのファンなのではなくって?」
「はあ。以前、オフ会にアンドレと一緒に招待されまして。そのときから。」
な、なに?その視線。夢見るみたいに恥ずかしそうに伏せちゃって。
そんなにすんばらしいナオンだったっちゅーの?
ハッ、調子にのって庶民の言葉を。
どこかにきっといてるはずのアントワネットファンの皆様、ごめんなさい。
「とにかく、hitomiさまはベルサイトの女王ですから陛下からお祝いのメッセージを。
ここで仲良くなれば、陛下のサイドも生まれるかもしれませんよ。
・・・?王妃さま?どうしたんですか?青筋たってますよ?」
「オスカル!言葉に気をつけなさい!
ベルサイトの女王はhitomiさまではなくわたくしにこそ相応しいのです。
わたくしはベルサイユのじょ〜お〜なのですから!」
ホホ、決まったわ.ね。
宝塚中継を観てから、夜な夜な練習したかいがあったわ。
この発声練習のおかげで腹筋が鍛えられてフェルゼンにも痩せた、って褒められたのよ。
マダムやマドモアゼルに褒められたって何さ!
恋に身を焦がし、克つ貫禄があるわたくしにこそ真の女王というもの。
「しかし・・・陛下。あなたは王妃であって、女王ではないのですけど。」
「えっ!そ、そういえばそうだったわ。
遊んでばかりで忘れてたけれど、国王陛下がいたのだわ。」
「ですから、hitomiさまに・・・」
「ちょっと待って!
例えわたくしは王妃でも、このベルサイユ第一の女性であることに変わりはありません。
そのベルサイトの女王の座もわたくしが頂きましょう。」
「・・・って別に争奪戦があるわけではないのですが・・・。」
「いいえ、わたくしがこう、と決めたからには大臣達も動員して、ベルサイトの・・・」
「いいえ、いけません。アントワネットさま。」
「オスカル、なぜあなたは、わたくしが楽しもうとすると反対ばかりするのですか?」
「サイトの運営は原則一人です。そうでないと、お客様の混乱を招きます。
大臣に手伝ってもらったりしてはいけません。」
「まあ、そうだったのですか。」
はあ。実はわたくしは機械オンチ。
わたくしにとってパソは陛下のお守りなのよね。
陛下にパソを買ってあげたら、最近は昼間からお部屋に閉じこもって、
ネットサーフィンをしているの。
その間、わたくしはずっとフェルゼンと一緒。
だけど、わたくしがパソを始めるとしたら肝心なところで”こける”フェルゼンよりも、
陛下に頼ったほうが安全ね。
なんたって、陛下はHP『ルイの部屋』を持っているんですもの。
そうなるとフェルゼンと過ごす時間が減るかも。
でも仕方ないわ。女王になる為ですもの。フェルゼンも理解してくれるわ。
「わかりました。これからフランスで一番のパソの先生について勉強しましょう。」
「素直に先生の言うとおりにしないと、パソは壊れますよ。
それに、勉強は真面目にコツコツとしないと身につきませんよ。」
まあ、うるさいわねえ。ちゃんとできるわよ。
「はい、はい、わかりました。」
「ちょいっと不安ですが・・。それと、おもてなし上手を心がけること。
間違っても、人様からきた手紙を燃やしてはいけません。」
「おもてなし?それがパソとどう関係があるのですか?」
「サイトには不特定多数のお客様がいらっしゃいます。一日何十人、何百人も。
色々な考え、趣味、話題を持つ方々です。
そんな方々を満足させ、広い心で包み込んでこそサイトの女王となれるのです。
現にhitomiさまの掲示板のスレは、拝見するだけで心が温かくなれます。」
ウッ。わたくしはおもてなしされても、
個人でもてなしたことなんか自慢じゃないが無いわ。
大体、おもてなし上手って何?
オスカルが言うことがわからないわ。
ベルサイトの女王の座を射止めるのは難しいかもしれない。
だけど欲しい。
もうすぐわたくしが出る映画も公開されると聞いたわ。
そうなったら、又、ベルサイトの人気が高まるはずですもの。
我が儘、軽薄なイメージを払拭できる千載一遇のチャンスではないかしら。
「わかりました。オスカル。あなたの意見を尊重してhitomiさまには挑戦状を送りま
す。」
「いや、別にそんなつもりでは・・・ないのですが・・・。」

******HP ルイの部屋*******************

国民の諸君。
今日も『ルイの部屋』に来てくれて有り難う。しばらく更新ができなくてすまなかった。
実は、皆に報告したいことがあるのだ。
先日、王妃が、あの我が儘で頑固な王妃が急に儂のところにやって来てな。
「おもてなし上手」になりたいから協力してほしい、と言うのだ。
勿論、儂に異存があるはずもない。一も二もなく賛成した。
ところが、その日から急に儂と王妃はは忙しくなったのだ。
何故かというと、フランス、いや世界中から
「おもてなし上手」の達人の先生がベルサイユに大挙してやって来たのだ。
落語、皿回し等の古典芸能から
一輪車、シガーボックス、お手玉のジャグリング。
その上、儂がボケで王妃がツッコミの夫婦漫才まで。
それはそれは厳しい訓練が続いたが、これもお客さまを喜ばすおもてなしのため。
儂と王妃はは耐えに耐えた。
おかげで、疲れてしまい、パソの前に座る暇もなかったのだ。
許せ、諸君。
だが、ひとつ朗報がある。

下の紅薔薇をクリックしてくれたまえ。
儂と王妃の訓練の様子を移した写真が見れるだろう。
そして、ベルサイユ演芸場で訓練の成果を皆に見て貰うための日程表も出てくるはずだ。
儂と王妃が生まれ変わった姿を、是非、見に来て欲しい。
特に、王妃は漫才の先生にツッコミの才能がある、と褒められておった。
一見に値する、と儂は確信しておる。
当日は、演芸場のまわりは麗しのオスカルが警備にあたる予定だ。
来てくれたご婦人方には、アンドレがショコラを入れてくれるぞ。
それと、王妃が企画した「フェルゼンを的にしてパイを当てよう」コーナーもある。
色々盛りだくさんの出し物があるので、諸君、時間を繰り合わせて来てくれたまえ。

ああ、そうそう。
もう一つ嬉しい知らせがあるのだ。
遂に、我がHPはベルサイトの『hitomiの部屋』とリンクできることとなった。
しかも、hitomiさまは我々の苦労を知ってくれていたようで
王妃に「おもてなし女王」の称号をくれたのだ。
よかったな、王妃よ。
儂も嬉しいぞ。
この調子でいけば、このHPも「夢の一万hit」までいけるかもしれないな。
そろそろキリ番賞品を考えなければ。

ところで、近日開設予定のHP『ベルサイユの紅薔薇』だが。
どうも、主催者には機械のセンスが・・・いや、根気が足りないようなのだ。
パソの先生も苦労していたが、遂に退職してしまった。
本人が勉強嫌いで、コンテンツが揃わないことも原因だが
開設は無期延期ということにしておいてくれたまえ。

それでは、ベルサイユ演芸場で待っているぞ。



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とても楽しいお話をありがとうございました☆
とても良い管理人に書いて頂いて少し恥ずかしいです〜(汗)
まあ、
【ノンフィクション】・・・と言う事で読んで下さいませ☆
かのこ様、ありがとうございました!
いつもサイトを見て下さっている皆様、ありがとうございました!!
2年で30万・・・、
皆様のおかげです・・・!!
この場をお借りしまして再びお礼申し上げます m(__)m

          by・・・hitomi

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