水の心 ・・・・・たんなるオマケ(^^;)




          アンドレは、たった今自分の耳で聞いたことが信じられなかった。

          足下にぽっかり穴が開いたような気分だった。

          急激に体温が低下しているのが感じられる・・・・・

          いや、上昇しているのか・・・・?

          「は、母上どの・・・今、なんとおっしゃいました?」

          「あら、アンドレったら、そんなに思い詰めた顔をして」

          ほほほほと、優雅に義母は笑う。

          年の割にお美しい・・・・いかん! そんなことはどうでもいいのだ!

          「いえ、わたしの聞き違いではないかと・・・・」

          そこにオスカルの何番目かの姉が横から口を出す。

          「まあ、その様子ではひょっとして初めて聞いたの?」

          「はい・・・」

          そう、命の森の泉で、訳の分からない内に済んでいた(らしい)結婚式を挙げたのは、

          つい昨日のことである。

          そして、一夜明けた今朝、アンドレは恐ろしいことを聞いたのだった。

          「なにも、そんな怖い顔をしなくっても・・・」

          「そうそう、『女の子を絶対に6人つくるのよ』って言われただけじゃないの」

          この女たちわ〜〜〜〜っ☆☆☆

          どこの世界に、結婚して24時間もたたない、いたいけな新郎にそーゆーことを

          あっさりと言う身内がいるんだぁぁぁ!!

          し、しかも、貴重な初夜は台無しにしてくれたし!!

          こいつらは、人でなしだ! 人間じゃあない!!

          ・・・・・・・・あ、そうか、もともと水の精だったんだっけ・・・

          いかん! 何を納得してるんだ、俺は!!

          がっくりと肩を落としたアンドレに、義母と5人の義姉たちは美しい笑顔でさわやかに言っ

          た。

          「まあまあ、うまくすれば6回で6人できるでしょ〜〜〜」

          「双子ちゃん3組なら、3回でいいんだから・・・」

          「がんばってね!」  

          「オスカルに似ても、わたしたちの誰に似ても、美女ばかりよ」

          「ハーレム状態でうれしいでしょ?」

          「あ、妊娠しやすい体位をおしえてあげましょうか? あのね・・・・」

          意識が沈むにつれ、声がだんだん遠くなる・・・

          お、俺は、絶対に男の子しかつくらないぞ〜〜〜!!!



            3年後、オスカルとアンドレには3人めの娘ができた。

            義母や義姉たちからは、お祝いの品と共に
  
            「折り返し地点ね♪」

            というメッセージが届けられたのだった・・・・